のちに知られるようになった「HAARP」の基本目的は一種の兵器配備計画で、これを「敵国地域」上空での気象調節と抱き合わせにすることで、飛来するICBM(大陸間弾道ミサイル)に対する地球規模での熱の盾を作り出すことだった。
だがわたし個人としては、HAARPには大きく広がったアンテナが数多くあることや、地上の送電線が大規模なことから、ソウ゛ィエトのFOBS(宇宙兵器)によって発生する衝撃には耐えられないのではないかと思っている。
事実、HAARPに初めて気づいたときのオルガコフ・ドクトリンの立案者(オルガコフを引き継いだ軍最高司令部首脳)は、第一にソ連を対象とした戦争用兵器というその明確な意図をまったく気にもとめなかった。
HAARPに36ものむき出しのアンテナがあるのを見て高をくくっていたのかも知れない。なにしろ、HAARPモデルを使ったシミュレーションによるシベリア上空でのFOBS実験では、FOBSに搭載した核が地球の上空700〜800キロという高度での爆発が放出するエネルギーの衝撃波によって、HAARP施設全体を一掃できることが示されていたのだから。
さらにソ連の科学者は、メガジュール送信機からの一撃のみでHAARP基地は壊滅され、とけて一つになった金属の塊(かたまり)しか残らない、と語っている。
GWEN送信機では(HAARP同様アメリカの兵器)、数キロにおよぶ銅線コイルが地中に埋め込まれている。表向きはHAARPが破壊されないための防御ということになっているが、これも大差ないだろう。こうした攻撃を防ぎたければ、三章で述べたように、ELFジャイロトロンにスイッチが入る前に、こうした基地に対して先制攻撃を仕掛けるしかないだろう。
※ 博士は意図的に語る。おそらくアメリカ軍関係者たちが、政府機関のいう「危険人物」であるジョン・コールマンという老人に注目しているからだ。
それはアイクも同様だ。「考えてみてください。その武装兵器が本当に役に立つでしょうか?」「現状は、あなたたちが教えられている様なものではありません」、そう語りかけられている。
だがこれも、アメリカ軍側からの希望的な考察でしかない。最初に配備されて以来、こうしたジャイロトロンは厳重に防御された基地内に埋め込まているからで、しかもほぼいつでも使える状態にある。ジャイロトロンへの奇襲攻撃はまず成功しない。アメリカは、HAARP送信機はソ連/ロシアのものよりも強力だというが、これにも異論が尽きない。
HAARPの1・7ギガワット(2.8〜10メガヘルツの周波数域での有効放射線出力17億ワット)は、ソ連/ロシアのジャイロトロンの出力と比較できるレベルに達していない。向こうは2.8〜10メガヘルツの周波数域での有効放射線出力が100億ワットだと言われているのである。こんなものに一撃されたら、アラスカのHAARP基地にある地上施設や、アメリカ中にあるGWENの送信塔がどうなるかは容易に想像できる。こうしてみると、「この周波数帯でこのパワーをもった送信機はこれまでになかった」というイーストランドの主張が根拠のないものに思えてくる。
いずれにせよ、HAARPがエルニーニョ気象調節計画において重要な役割を演じたことは間違いないとわたしは考えている。とすれば、自国の利益の絡む地域でのこのような実験をされたとして、それをソ連/ロシアが黙認するはずはないし、アメリカは間違いなく同じ苦い薬を味あわされただろうから、アメリカの気象調節学者はソ連/ロシアの地域のどこかでエルニーニョ型の実験を行うわけにはいかなかった。
気象調節学者に残された唯一の選択は、アメリカの領土と自国国民を使って地球全体の気候条件の完全な操作という目標を推し進めることだった。
そんな考えはばかげているという人がいたら思い出してほしい。
過去のアメリカには、自国の国民をためらいなくさまざまな実験に使ったという実例が少なくとも16以上はあるのである。
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