先にわたしは、わたしたちの家庭の電気配線は潜在的に危険なレベルの電磁エネルギーを受信できるように作られている、と述べた。
アメリカは、高圧電線の巨大な網の目が全土に張りめぐらされている。長年、こうした電磁線および家庭配線による危険が議論になっており、さらに商業用、家庭用の電気器具から出る放射線も、長期的には生命に関わると言われている。
1953年、常時存在するこうした危険に各国政府の目を向けさせようという動きが、アメリカを含めて起こった。ペンシルウ゛ァニア大学が電磁放射線被曝に関する研究を行い、1平方メートルあたり100ワット(1平方センチあたり10ミリワット)の電力密度に人間をさらすべきではないと結論した。
だが、この規準が考慮に入れていたのは熱暖房器の放射線のみで、それはソ連の科学者によって確立されたものだった。したがって、アメリカ規格協会(ANSI)が採用した規準は十分に安全なものだとは考えられていない。ペンシルウ゛ァニア大学の研究では熱以外の影響が考慮に入っていないからだ。
スウェーデンの二つの研究チームによる最近の報告は、電磁場の人体に対する影響に関して行った膨大な研究での発見を受けてのものだ。研究では、頭上に送電線がある近くに住んでいる人ほど癌になる危険が大きいことが示された。研究で現れた反応の種類は脳腫瘍、白血病、リンパ腫であった。
スウェーデンの研究によって、癌の発症と電磁波被曝とのあいだに明らかな関係があること、その危険は電磁場に近ければ近いほど、また長く電磁場にさらされているほど大きいことが示された。ことばを換えれば、住む場所が頭上の送電線に近ければ近いほど、また長くそこに住んでいるほど、何らかの癌になる危険が大きいということだ。
同じ研究では、電磁場の近くに住んでいる場合、特に子どもの危険が大きいことも示された。白血病になる確率は、1〜2ミリガウスの電磁波にさらされた場合では、そうでない子どもの二倍である。
危険なのは送電線だけではない。家庭内配線も、電力を伝えるときに磁場を発生する。ベッドの横の電気時計も電磁場なのである。スウェーデンの研究チームは、ベッドの横に電気時計をおくと脳の癌になる可能性があるとしている。
電磁場の危険を指摘しているのはスウェーデンの研究だけではない。ロチェスター大学医学部のS・M・マイケルソン教授も、1967年に電磁波の危険は非常に現実的なものであると語っている。「頭痛、倦怠、胃痛、不眠、いらいらなどのほか、これに類する症状がマイクロウェーブ発生装置の近くで働いている者からしばしば報告されているが、これに関して徹底した調査が行われたことはない。こうした事象をむせてはならない。これと似た、はっきりしない、やや軽度だが未確認の症状が、本研究所でマイクロウェーブ研究を進めるなかで経験されているからである。こうした症状は、マイクロウェーブの基本的な影響を示すものかも知れない」
スウェーデンの研究による発見は軽視できるものではない。だが電力業界、軍、さらには電気機器メーカーは、長年にわたってこれを無視してきている。先の研究で、コンピュータを使った非常に正確な人口統計を利用して、1960〜85年の時期の50万人を対象に、送電線から約30メートル以内、すなわちアメリカ都市部および郊外に張りめぐらされた典型的な送電線網の内側に住んでいる人たちを調べてみると、驚くべき結論が出てきた。送電線の近くに住んでいると、健康に有害な影響が出るのである。
この決定的な研究を受け、スウェーデン政府エネルギー省の一部門であるNUTTEKは、電磁場の有害な影響から国民を守るための新しい法令を作った。
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